TOHO見聞録1970/vol.43（ベルン～ミュンヒエン）

いよいよドイツ巡業

　朝９時に出発して４２０キロの行程をミュンへンヘ向かう。
　途中昼食をとり、延々バスに揺られてミュンへンに着いたのは午後７時であった。

　今夜は西ヨーロッパの総マネージャーであるタウプマン氏が全員をホーフ・ブロイハウスへ招待してくれたが下戸の斉藤教授はキャンセルしたので、スタッフ、指揮者が付き添って出かける。
　本場のビールと久しぶりの開放感から、メンバー達は大はしゃぎ。秋山氏が引っ張り出されてビアホールの楽団を指揮し荒城の月・さくらさくらなどを演奏するに及んで、皆の騒ぎも最高潮に達し、周囲のドイツ人もあっけにとられている。

　ドイツでは湿度が低いため、ビールを冷やす習慣がないらしく、あまり刺激がないためか、どんどん飲めてしまう。
　そのうちに疲れのせいもあって、悪酔いする者も出てきて、大騒ぎになってしまった。あまり醜態をさらすと、守衛が外に放り出すことになっているので、私は走り回ってドイツマルクを集めウェイター達に握らせ、何とかその場を収めたが人騒がせな一件であった。

　ミュンへンも古い街であるが、中央駅周辺は何か殺風景であまり他の街と変わりはない。そろそろ旅も飽きてきてどの街も新鮮さを感じなくなってきた。
　夜はビールのせいか、久しぶりに熟睡することが出来た。

ご機嫌なビア・パーティー

指揮者も大はしゃぎ

若い子の取り囲まれて上機嫌のタウプマン氏（ヨロッパの大マネージャー）

ビアホールの楽団を指揮する秋山氏

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